日本の超過および過少死亡数ダッシュボード

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2021.05.31
2021年2月時点までのすべての死因を含む情報に更新しました。

このダッシュボードについて

このダッシュボードでは、日本国内の新型コロナウイルスの感染流行期(2020年1月以降)およびそれ以前の期間(2017-2019年)における超過および過少死亡数の算出値を表示しています。地域や期間を選択することにより、興味がある地域・期間における超過および過少死亡数を表示させることが可能です。


超過および過少死亡数は、「過去のデータをもとに統計モデルから予測された死亡数」と「実際に観測された死亡数」の差として算出されています。統計モデルとデータ解析の説明については、学術論文あるいは、こちらの国立感染症研究所のホームページをご覧ください。また現在、これらの超過および過少死亡数の算出では死因の区別はされていません。そのため、示されている超過死亡数の内訳には、新型コロナウイルスに関連する死亡数増加と、関連しない死亡数増加の両方が含まれていると考えられます。また過少死亡数の内訳には、新型コロナウイルス感染症流行に伴う例年以上の感染症対策や健康管理の実施に関連する死亡数減少と、関連しない死亡数減少の両方が含まれていると考えられます。超過および過少死亡数の内訳の解釈についての詳細は、下記「超過および過少死亡数の解釈」をご覧ください。


日本国内での新型コロナウイルスの影響に関しての「データに基づく開かれた議論」に貢献することが、このダッシュボードの目的です。開かれた議論の担保のため、本ダッシュボードで用いられたデータおよび解析用のプログラムコードは全て公開されています(補足資料)。また、本ダッシュボードにおいて示される超過および過少死亡数の値を適切に解釈するためには、超過および過少死亡の概念的な意味や、統計モデルを用いた算出方法についての適切な理解が重要です。国立感染症研究所のホームページにも解説およびQ&Aを収録しておりますが、さらなる質問がある場合にはこちらで受け付けております。

超過および過少死亡数の定義

このダッシュボードにおける超過および過少死亡数は、例年の死亡数をもとに推定される死亡数(予測死亡数の点推定)[閾値1]およびその95%片側予測区間(上限・下限)[閾値2]と、実際の死亡数(観測死亡数)との差のレンジで提示しています。例えば、例年の死亡数をもとにした死亡数の推定結果が「点推定値100人、95%片側予測区間(上限)125人」であったとき、実際の死亡数が「130人」であれば、超過死亡数のレンジは「5-30人」と提示されます(実際の死亡数が予測死亡数を下回る場合には超過死亡数は0人とされます)。また、推定結果が「点推定値155人、95%片側予測区間(下限)140人」であったとき、実際の死亡数が「130人」であれば、過少死亡数のレンジは「10-25人」と提示されます(実際の死亡数が点推定値を上回る場合には過少死亡数は0人とされます)。

超過および過少死亡数の算出法

超過および過少死亡数の算出方法は、国際的に標準的な手法としての定評がある米国疾病予防管理センター(CDC)の用いるFarringtonアルゴリズムを用いています。詳しい方法については、国立感染症研究所のホームページをご覧下さい。

すべての死因を含む超過および過少死亡数の解釈

現在、超過および過少死亡数の算出において死因の区別はされていません。そのため、示されている超過死亡数の内訳には、新型コロナウイルスに関連する死亡数と、関連しない死亡数の両方が含まれていると考えられます。このことから、「超過死亡がある」ことは「新型コロナウイルスによる死亡がある」ことを必ずしも意味するわけではなく(新型コロナウイルスに関連しない死亡により超過死亡が生じている可能性がある)、同様に、「超過死亡がない」ことも「新型コロナウイルスによる死亡がない」ことを必ずしも意味しない(新型コロナウイルスによる死亡があるが新型コロナウイルスを直接の原因としない死亡数の減少により相殺されている可能性がある)ことにご注意ください。


また一般に、超過および過少死亡はコロナ以外の感染症や気温の変化、あるいはその他の偶発的な要因によっても生じます。実際に、新型コロナウイルス流行期以前(2017-2019年)にも散発的な超過および過少死亡が見られています。これらの流行期以前の超過および過少死亡数は「もし新型コロナウイルス流行が無かった場合」の超過および過少死亡数のレンジについての参照となりうるものと考えられます。


新型コロナウイルス流行期(2020年1月以降)においては、新型コロナウイルスを直接の原因とする死亡に加えて、例年より増加している死因(例えば、外出自粛等に伴う病院不受診や生活習慣の変化に伴う持病の悪化による死亡)と、例年より減少している死因(例えば、他の感染症による死亡)が混在している可能性が高く、新型コロナウイルスの感染拡大による間接的な影響も含まれています。より詳細には、今回算出されたすべての死因を含む超過死亡数は以下の内訳等の死亡の総和と解釈できます。


  • 新型コロナウイルス感染症を直接の死因と診断され、実際に新型コロナウイルス感染症を原因とする死亡。
  • 新型コロナウイルス感染症を直接の死因と診断されたが、実際には新型コロナウイルス感染症を原因としない死亡(例えば、実際の死因はインフルエンザだが、新型コロナウイルス感染症が死因と診断された死亡。ただ新型コロナウイルス感染症の診断がPCR検査に基づく現状では、ほぼ該当例はないと考えられる)。
  • 新型コロナウイルス感染症が直接の死因と診断されなかったが(他の病因を直接の死因と診断された)、実際には新型コロナウイルス感染症を原因とする死亡。
  • 新型コロナウイルス感染症が直接の死因ではないが、感染症流行による間接的な影響を受け、他の疾患を原因とした死亡(例えば、病院不受診や生活習慣の変化に伴う持病の悪化による死亡)。
  • 新型コロナウイルス感染症が直接の死因でなく、また新型コロナウイルス感染症流行による間接的な影響を受けたものでもない死亡(2017-2019年の超過死亡数はこれらの死亡を反映したものである)。

また、算出された過少死亡数は、主に以下の内訳等の死亡数の減少分の総和と解釈できます。


  • 新型コロナウイルス感染症流行に伴う例年以上の感染症対策や健康管理の実施に関連する死亡数減少。
  • 新型コロナウイルス感染症流行に伴う例年以上の感染症対策や健康管理の実施に関連しない死亡数減少(季節性インフルエンザの流行状況の影響や気候要因等の偶然的要因による死亡数減少など)。

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研究班構成員

「新型コロナウイルス感染症等の感染症サーベイランス体制の抜本的拡充に向けた人材育成と感染症疫学的手法の開発研究」(厚生労働科学研究令和2年度)
分担研究「COVID-19等の影響による超過死亡の評価」(研究分担者:東京大学 橋爪真弘)

東京大学大学院 医学系研究科国際保健政策学

  • 橋爪真弘
  • 野村周平

慶應義塾大学 医学部医療政策・管理学教室

  • 野村周平

聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科

  • 米岡大輔

早稲田大学 ビジネスファイナンス研究センター

  • 田上悠太

東京工業大学 情報理工学院

  • 川島孝行

長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科

  • Chris Fook Sheng Ng

千葉大学 予防医学センター

  • 江口哲史

国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター

  • 瓜生真也

東京大学大学院 医学系研究科機能生物学専攻

  • 史蕭逸

理化学研究所 環境資源科学研究センター

  • 河村優美

株式会社ホクソエム

  • 牧山幸史
  • 松浦健太郎

慶應義塾大学 医学部医療政策・管理学教室

  • 宮田裕章

国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部

  • 小野塚大介

東京大学大学院 医学系研究科国際環境保健学

  • Yoonhee Kim

国立環境研究所 環境リスク・健康研究センター

  • 林岳彦

国立感染症研究所 感染症疫学センター

  • 鈴木基
  • 砂川富正
  • 高橋琢理
  • 土橋酉紀
  • 小林祐介
  • 有馬雄三
  • 加納和彦